遭難寸前林道一人旅2

ということで、早速へ。

道はきちんと除草もされていて、

整備されている雰囲気がぷんぷん伝わってきます。

相変わらずいい気分で、

イエローモンキーを熱唱しながら林道を突き進んでいきました。



しばらく進むと、眺めのいい高台へ出ました。

ちょっと休憩しようと、車から降りました。

熊が出たらすぐ逃げられるように、

運転席のドアは開けっ放しです。

幸い熊は出なかったので、外でしばし景色を楽しみ、

また道を進んでいきました。



ここから、雲行きが怪しくなってきました。

道の真ん中にが生え始めたのです。

ということは、あまり車が通っていない証拠。

少し不安になりました。

しかし、そういう道でも続いていることもありますし、

ここはもう少し進んでみました。

だって、何よりそのときの私は、

生まれて初めて一人で林道に来た喜び高揚感で、

いっぱいだったのです。

もうとにかく進みたかったのです。



少し進むと、軽トラックとすれ違いました。

「なあんだ、結構車通ってんじゃん。」

そう、こういう林道では車とすれ違うことは珍しいことなのです。

ここで、「この道で合ってるな」と少し安心。

草が生えてきた不安も消し飛びました。



さて、狭い道です。

ここは大きい私の車が左にめいいっぱい寄って、軽トラックをかわそうとしました。

かわそうとした瞬間、軽トラックのおじさんが私に話しかけてきました。







「おねえちゃん、林になんか用なのかい?」



「え?林ですか?」



「ああ、この先の林。知らないの?」



「今日はじめてこの道に来て、走ってるんです\(^o^)/」



「ははは。なんもねえよ、この先!



「そうですか、でも、なんもないこの山がいいんですよね!」



「そうか。」



そして、おじさんは去っていきました。

おじさんは言いました。

「なんもねえよ、この先!」と。

なぜ、その言葉をきちんと聴いておかなかったのか。

ま、悔やんでも仕方のないことですが。

この時、時計は2時頃。

さあ、運命の歯車はどんどん動いています。