循環式と投げ捨て式の見分け方

では、実際にどのように見分ければよいのでしょう。
方法はいくつかありますが、手っ取り早く正確なのは、やはり聞くことです。
とはいっても、なかなか聞きにくいものです。では、いくつかの見分け方を書いておきます。

オーバーフローかどうか

浴槽にお湯がなみなみと満たされ、常にお湯があふれ出していれば、ほとんどの確率で『かけ流し式』です。
よく、浴槽に向かってお湯が絶え間なく注がれている温泉がありますが、その量と同じだけあふれていればかけ流し式というわけです。
反面、絶え間なく注がれているはずなのにいつまでたってもお湯があふれないところはほとんど『循環式』です。
循環式の場合、浴槽の中にお湯を吸い込む場所があることが多いので探してみましょう。
ただし、かけ流し式でも泉質の都合上、浴槽からあふれさせないようにしているところもあるようです(床に沈殿物が出来る濃い温泉など)。
難しいのが、浴槽からお湯はあふれているものの、注がれている分量ほどはあふれていないところ。これは循環式の可能性が高いです。
しかし、循環する時に源泉も継ぎ足している(つまりお湯の総量は増える)場合にそうなるわけです。
また、床にではなく浴槽の横に排水用の場所が設けられている場合、そこから循環させている場合もあります。
全てではありませんので、確認が必要です。

源泉温度の確認

源泉が40度未満の場合はほとんど加温が必要になるため、循環式を採用していることが多いです。
特に、泉源が遠い場合は遠ければ遠いほど、高温でなくては利用できないため、どこからか温泉を引っ張ってきている場合は源泉温度の確認が必要です。
また、温泉に必ず表示してある「温泉成分分析表」には源泉の温度が記載されていますが、ほとんどの場合、検査時よりも源泉温度は低下していることが多いので、注意が必要です。
また、温泉によっては源泉温度が低くても、浴用加熱はするものの循環させない偉いところもあります。

湧き出し量の確認

源泉の湧き出し方には2種類あり、自噴するものと、ポンプで汲み上げるものとがあります。
どちらにしても、毎分何リットルくらい湧き出しているのかを確認すれば見分けるための手助けになります。
自噴する場合はかけ流しを採用するところも多いですが、泉温が低かったり量が少なければ循環になります。
何リットルあればオーケーなのかはちょいとわからんです。すいません。

飲めるかどうかの確認

浴槽への温泉水の湧き出し口にコップがおいてある場合、循環式の可能性は低くなります。
逆に、飲用不可とある場合はほとんどが循環式です。さすがにろ過・消毒をしているとはいえ、それを飲んでもオッケーとしているところはまずありません。
ただし、注意が必要なのは、泉質によって、飲めない物もあるということと、いくらコップがおいてあっても、保健所からの認可が下りている場合と下りていない場合があるので、気をつけましょう。
湧き出し口にコップがある場合はほとんど無認可といって良いでしょう。まあ、がぶ飲みしなければ大丈夫でしょうが。
注意書きで『この噴出し口のお湯は飲めません』とあればまず循環式です。

塩素の匂い

ちょっとうろ覚えなので申し訳ないのですが、確か循環式の場合は塩素消毒が義務付けられているはずなんですよ。
違ったらごめんなさい。ですから、浴場全体がプール臭かったりしたら、循環の可能性は大きいかも知れません。
ですが、うろ覚え状態なので、上記の数点の判断材料と合わせて判断してください。

おまけ

平成15年に公正取引委員会が温泉業界に『循環式か、かけ流し式かの表示義務を通告する予定』と報じられました。
業界では待ってましたという声と非常に困るという声で二分されたそうです。どちらにせよ、表示義務は当然のことではないでしょうか。
また、全国でかけ流しの温泉を中心に新しい方式の温泉表示法を採用する動きがあります。道南では『流山温泉』で見られます。ぜひ参考にしてみてください。