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五平河童とたんから島:江差町

昔、泊川に「五平」という河童が住んでいた。
漁師の干し魚を引っ張ったり、農家の作物を取ったりなどのいたずらをしていたが、村人はまだめんこいいたずらなので笑って見過ごしていた。

しかし、ある日五平が子供を川へ引きずり込み、村人たちの怒りが爆発した。
こらしめてやろうと村人たちは観音寺の和尚に相談した。
すると、和尚は満月の夜を待って泊川の岸に立ち、大声で長い長いお経をあげた。

明るい夜は顔を出さない五平河童も、和尚の大声のお経に驚いて水面に頭を出した。
この時とばかりに、和尚は五平河童の頭の皿に気合いと共に大きなげんこつを食らわせた。
皿が壊れたと感じるほどの痛みに、五平はおいおい泣き出し、その声は一晩中あたりに響き渡った。

翌朝、和尚が寺の雨戸を開けると、本堂前の踏み石に紙切れが一枚置いてあった。
   「詫び状
    もう悪いことはやめて村のために尽くします。
    あの痛いげんこつは二度としないで下さい。」
それ以来、五平の姿が見えなくなったが、かわりに泊川の河口近くに河童が海へ向かって泳いでいるような姿の岩ができていたという。

この岩にはいつも多くのウニやアワビがいて、いくらとっても減ることはなかったという。
また、近くでは鰊の大漁が続いたという。
村人は、この岩をたんから(宝岩)と呼んで、親しむようになった。

レポートと解説

五平河童の詫び状ですが、現在観音寺には現存していません。
古い歴史を持つ観音寺は、幾度か住職が不在のことがあり、その間に寺宝などが行方不明になったようです。

厚沢部川にも河童が住んでいたという伝説が残っており、こちらの河童も泊と同じように詫び状を書き、観音寺で保管されていたそうです。
うねりの強い波に襲われることがあったため、それを河童の仕業として泳ぐ前におまじないをしていたのだそうです。
その内容は、
「河童とメドツと分けて食え!」と大声で唱え、河童の大好物のきゅうりを投げ入れてから、川や海に飛び込む、というもの。
「メドツ」とは、この地方の方言で「河童」の意味。
私(ねりこ)の母はこの泊の出身で、小さい頃に海や川で泳ぎに行く時、親などに
「メンドッツにダッコ抜かれるぞ!」と注意されたそうです。
「ダッコ」は多分「尻子玉」のことなのでしょう。

また、たんから岩の沖には悲しい少女の伝説が残る「ヨシ島」があります。

北海道檜山郡江差町字尾山町1
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所在地
江差町尾山
参考文献
24/p.203~204,217~220
関連ホームページ
函館の河童の伝説
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