遭難寸前林道一人旅3

しばらく進むと、さらに道は悪くなりました。

今度はゴツゴツした岩が道に現れました。

これはただ事ではありません。

タイヤがパンクする可能性があります。

そうなったらこの山の中、私一人ではなすすべがありません。

もちろんタイヤくらい一人で換えられます。

ただし平地限定です。

こんな急斜面ではどう考えても無理です。

だから、こんな路面になったらすぐに引き返します。

今ならね。



そう、私はこの時なぜか「まだ行ける!」と思ったのです。

愚かな・・・。



その急斜面を下りると、杉林に出ました。

そうです。軽トラックのおじさんが言っていた林です。

どうやら植林された林のようで、枝が切り払われています。

そして、その切り払われた枝は、

道を覆いつくしています!




しかも、あろうことかすでに私の車は、その枝だらけの道に

足を踏み入れていました!













「ミシ、パリ、グシャ」





その枝だらけの道(しかも、ちょっとぬかるんでいる)を進むたびに鳴る音たち。







「これはヤバいのでは!?」





この時、初めてそう思いました(爆)。

遅すぎる・・・。気づくのが遅すぎるよ!自分!





「もう引き返そう・・・。きっと道を間違ったんだ。

 そうだ、あの分岐だ。あそこまで戻ってみよう。

 ・・・・お!あとちょっとで切り返しの出来そうな道があるぞ。

 あそこで切り返して戻ろう!」



というわけで、少し進んだところにあるT字の道で切り返そうとしました。

まず、行き止まりの道に頭をつっこみ、

バックで下り坂を下りてまたもとの道に戻ろうとしたのです。

(文章ではわかりづらいです。のちほど図が出ます。)



バックで下り坂を下りるまでは、何事もありませんでした。

さあ、いよいよもとの道へ戻ろうとギアをローに入れ、

アクセルをふかした瞬間、















「ずぎゅるるるるるるるるるる・・・」











車が坂を上らない!?













つまり、こうなったのです。

下の図をご覧ください。





林道の図

黒い太いのが道ですよ~。下手ですみません。








OH!なんということでしょう。

このどこともわからぬ山の中で、ついに車がスタックしてしまったのです!

このまま下っていっても、図の通り道は結構深い川にさえぎられて、

重機じゃないと渡れそうにありません(泣)

なにより、もうこれ以上進んでも何もないことは、あたりの雰囲気でわかります。



まずは落ち着いて、4WDのモードを変えてみよう。

ローレンジにして(スピードは全くでないが力持ちなモード)、ゆっくりアクセル・・・。







「ずぎゅるるるるるるるるるる・・・」





・・・・・・・・・。だめだ。

とりあえず、タイヤと地面の様子を見てみようと思い、車を降りて見てみると・・・。

タイヤはもうパッと見で「貴様は泥団子か!」ってくらいになっていまして。

地面はぬるぬるのツルツル。











私は自力での脱出をあきらめました。

車は一人ではどうしようもなかったのです。

それに、ある物も見つけてしまいました。





馬鹿でかい熊の糞です。

それはもうそこらじゅうにありました。







時計は2時半を回っていました。

ここで一人で頑張ったところで、夕方になったら熊が絶対出てくる!

ていうか、今すぐ出てもおかしくない!