おじさんたちは本当にいい人で、自分たちの釣りを切り上げて、
私を車にのせてスタックした場所まで連れて行ってくれました。
その途中、例の分岐点へ。
「この看板で左に行っちゃったんですよ。」
「ああ、これは送電線がどっちにいってるかっていう看板だよ。
ここは、右に行くんだよ。」
なにい!?送電線だと!?
紛らわしい書き方をしないでくれ~!
おじさんの話だと、結構私のように間違う人もいるらしいです。
気をつけましょう。(よく見ると電線マークがついてたりします)
道すがら、おじさんは自分の車が田んぼに落ちたとき(それもすごい!)、
そこの田んぼの持ち主さんがトラクターで引っぱってくれたことなど、
いろいろな車に関する経験談を話してくれました。
そこで、だいぶ不安感がなくなってきました。
そして、到着してすぐに作業に取りかかってくれました。
みんなで押したり引いたり、タイヤの泥を取ったりするものの、
なかなか車は動いてくれません。
そこで、おじさんの案でそこら一帯に落ちている杉の枝を、タイヤの下に敷いてみました。
すると・・・。
グググググ・・・
やった!!出た!
もう、私はもちろんおじさん一家もおおはしゃぎ。
だってみんな半分あきらめかけていたんだもんね。
しかももうあたりは真っ暗だったんだもんね。
いつ熊が出てもおかしくなかったもんね。
そして、私のテラノは無事に脱出に成功いたしました。
しかも無傷!
おじさんに、
「おねえちゃん、さっきの分岐点の所で待ってて。
あとからついてくから」
おじさんたちは室蘭から来ていて、
実はいつもこの林道を通って今金から八雲の釣りポイントに来ているのだそうです。
で、分岐点で私たちはお別れすることに。
ところでみなさん。真っ暗な林道って通ったことありますか?
わたしはもう2度と一人で夜の林道は走るまいと思いました。
どこまでが道なのか崖なのか、わかんないんですよ!
それでも、何とか分岐点までたどりつきました。
真っ暗な中、浮かび上がる車のイルミネーション。
・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・来ない。
おじさんのテラノが来ない。
どうしたんだろう?
まさか崖から落ちた?
まさか、百戦錬磨(ほんとか?)のおじさんがそんな失敗をするわけない。
まず、引き返してみよう。
ちょっと怖いけど。
いや、結構怖い。
かなり怖いけど。
引き返して5分ほどたったところ、前方からヘッドライトが。
よかった!おじさんだ。どうしたんだろう?
車を降り、駆け寄るとおじさんも降りてきました。
「おじさん!どうしたんですか!心配しました!」
「いやー、ごめんごめん。
スタックしちゃってさ、さっきのところで。」
え!?
さっきって・・・・・・・・・。
そう、ミイラ取りがミイラになってしまったのでした。
私がハマったあの道で、今度はおじさんのテラノが出られなくなっていたのです。
でも、私のときと同じ方法で切り抜けてきたのでした。
というわけで、無事に家に(その日のうちに)帰ってこられました。
夜9時にね。
ちなみに、助けてくれたおじさんは、何度名前を聞いても教えてくれませんでした。
後日、どうしてもお礼がしたかったので、
車のナンバーを頼りに、おじさんの名前と住所を探し当て、
室蘭までお礼を言って来ました。
おじさんもとても喜んでくれて、5時間も話をして盛り上がりました。
このような長文を、最後まで読んでくださってありがとうございました。
ねりこ@ななめし