乙部町歴史シリーズ
1 新北海道の夜明け【箱館戦争】
明治政府軍の乙部上陸
2 乙部むかしむかし
3 乙部の歴史【上】【下】
1994 乙部町
作画:石川寿彦
乙部町歴史シリーズは、町民のアイディアや発言をもとに、ふるさと創生事業の一環として企画されたものです。内容は、なんと全ページオールカラーの漫画となっており、巻によっては所々に活字や表を使用した資料ページが挿入されています。全体に文字が大きいので読みやすいのですが、ルビは特に難解な読みにのみついているので、漢字を習いたてのお子様には少し難しい内容かもしれません。ただ、オールカラーはやはり圧倒的に目を引きますし、漫画の内容も主観的ではなく淡々と歴史の事実を表現しているスタイルなので、乙部町の歴史がよくわかることはもちろん、読後に何を感じるかは読者の自由にまかせてあるように感じました。
『1 新北海道の夜明け【箱館戦争】』は、戊辰戦争の背景説明から始まり、戦争中の乙部町の様子、箱館戦争の経過と終了までが描かれています。時の松前藩主松前徳広が津軽へ脱出する際に乙部で一泊し、藩主が逃れるまで土地を死守したこと、松前藩の負傷兵を守るため、当時の村人たちが服を着替えさせてかくまったこと、などなど、その土地の人が編さんしているからこそのエピソードを見ることができるのが素晴らしいです。
『2 乙部むかしむかし』は、「八助物語-灯台になった八助じいさん-」、「館の岬の悲恋物語-与作とお岩-」、「乙部の義経伝説-九郎岳と姫川-」、「ダッタン漂流記-万里の長城を見た漁師たち-」の全4話が収録されています。伝説となっているお話から、事実と確認されているお話まで網羅されています。当サイトでも「悲恋物語」と「義経伝説」について別ページにてご紹介しておりますので、詳しい内容はそちらをご覧くださいね。「ダッタン漂流記」は、江戸時代に嵐に遭遇して中国吉林省に漂着し、二年半後に故郷乙部町に戻ってきたというお話です。
『3 乙部の歴史【上】【下】』は、先史時代から近代までを網羅しています。漫画の他に町に関する資料や地名について、略年表も掲載されており、より深く町の歴史を知ることができます。
4冊セットで7年ほど前に乙部町役場さんに問い合わせて購入したのですが、価格を失念してしまいました。まだ在庫があるという噂もあります。ご興味をお持ちの方は、乙部町役場さんにお問い合わせを。