大漁の珠:函館市(旧南茅部町)

文化(1804~18)の頃、大船の熊泊稲荷に心の正しい別当がいた。この別当がある日山で切り株に腰掛け居眠りしていると、白髪の老人から白い珠をもらった夢を見て、目覚めると本当に珠があったという。

これを稲荷社に祭ったところ、浜に大漁が続き村人は「大漁の珠」と呼んで崇めた。
しかし、臼尻の網元庄九郎は自分だけ大漁になればよいと悪心を抱き、無理やり珠を借りてこっそりと網にこの珠を結びつけた。あろうことか、その夜は大時化になって、網も珠も流れてしまった。これを天罰と感じた庄九郎は、稲荷へお詫びに行ったところ、珠はきちんと社に収まっていたという。
その後大漁が続いたが、心の正しい別当が亡くなってしまい、心のよくない別当が来た。すると、ある夜に大漁の珠は屋根を抜いて天に昇ってしまったという。

レポートと解説

別当とは、神社守のこと。昔は宮司などの神職ではなく、その土地の古老などが選ばれて、神社の管理をしていました。

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