ということで、早速左へ。
道はきちんと除草もされていて、
整備されている雰囲気がぷんぷん伝わってきます。
相変わらずいい気分で、
イエローモンキーを熱唱しながら林道を突き進んでいきました。
しばらく進むと、眺めのいい高台へ出ました。
ちょっと休憩しようと、車から降りました。
熊が出たらすぐ逃げられるように、
運転席のドアは開けっ放しです。
幸い熊は出なかったので、外でしばし景色を楽しみ、
また道を進んでいきました。
ここから、雲行きが怪しくなってきました。
道の真ん中に草が生え始めたのです。
ということは、あまり車が通っていない証拠。
少し不安になりました。
しかし、そういう道でも続いていることもありますし、
ここはもう少し進んでみました。
だって、何よりそのときの私は、
生まれて初めて一人で林道に来た喜びや高揚感で、
いっぱいだったのです。
もうとにかく進みたかったのです。
少し進むと、軽トラックとすれ違いました。
「なあんだ、結構車通ってんじゃん。」
そう、こういう林道では車とすれ違うことは珍しいことなのです。
ここで、「この道で合ってるな」と少し安心。
草が生えてきた不安も消し飛びました。
さて、狭い道です。
ここは大きい私の車が左にめいいっぱい寄って、軽トラックをかわそうとしました。
かわそうとした瞬間、軽トラックのおじさんが私に話しかけてきました。
「おねえちゃん、林になんか用なのかい?」
「え?林ですか?」
「ああ、この先の林。知らないの?」
「今日はじめてこの道に来て、走ってるんです\(^o^)/」
「ははは。なんもねえよ、この先!」
「そうですか、でも、なんもないこの山がいいんですよね!」
「そうか。」
そして、おじさんは去っていきました。
おじさんは言いました。
「なんもねえよ、この先!」と。
なぜ、その言葉をきちんと聴いておかなかったのか。
ま、悔やんでも仕方のないことですが。
この時、時計は2時頃。
さあ、運命の歯車はどんどん動いています。