「素尻」という言葉を知っているだろうか?
「すじり」と読むのだ。知らないか?
……知るわけないのだ。コレは我が家のみの造語だったのだ。
「素手」とか「素肌」の用法である。
つまり「尻のまんま」という意。
風呂上りの娘がパンツもはかずに椅子に座っていたら、
「これ、素尻でそんなとこ座るんじゃない!」
と怒るわけだ。
私はこの「素尻」を、広辞苑にものってる普通の言葉だと信じていた。
30年間も。
旦那から指摘され、はじめは信じられなかった。
電子辞書で何度も調べたりもした。
母に問い詰めたところ、
「えっ、ウチだけって知らなかったの???」
と言われた。
ショックだ。親を信じて生きてきたのに。
きっと今まで私は
ウチの外でも使ってきたに違いない、
そしてそれを聞いた他人にヘンなヤツだと思われたに違いないのだ。
この気持ちのやり場、どうしていいのかわからない。
だって、
もう娘も普通に「素尻」使っちゃってるし!
父が夏休みをとって横浜から帰ってきた。
早速私は父を責めた。
「私、30年間も素尻が広辞苑に載ってる普通の言葉だと信じてきたんだよ!」
すると56歳父が返してきた言葉。
「……広辞苑3月号の別冊付録に載ってたよ。」
怒る気も失せました…てか、
月刊誌だったなんて知らなかったよ。
隣で母は笑い転げてるし。
一つだけわかった事がある。それは、父にはまだかなわないと言う事だ。
少なからず自分を「普通の人よりは少し面白いのでは」と自負していただけに
まだまだだな、と。
そうだよ、どのように生きれば、自分の娘の披露宴の席で
「冗談が服をきているような娘です」
と答えられるようになるのであろうか。
30年目で得た真実は、重みがあった。素尻万歳。
以上の文章は、実はねりこの高校時代からの親友、
A子さん(仮名)からのメールです。
臨月でお腹に激痛が走ったので、急いで救急車を呼びつけ病院に行ったら、
「ただの下痢です。」といわれた、あのA子さん(仮名)です。
本人の許可を得て、ここに公開しました。
私は、こんなに衝撃を受けたメールを他に知りません。
ていうか、あやうく笑い死にするところでした。
1歳の娘が、あまりの笑いようにびっくりして泣き出すほどに。
早速以下のように返信しました。
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「素尻」。
この言葉が、どの家庭でも使うようになれば、君の受けた屈辱を晴らすことも可能だろう。
よって、今日より我が家でも使うこととする!!
まず手始めに、うちの実家にも伝えておいた。
これで2家族だ。
さらに先ごろ結婚した妹にも伝えたので、3家族。
こうやって「素尻」同盟を増やしていくのだ。
ていうか、勝てないね。君の家族には。(もちろん君も含む)
父、おそるべし。
一つ、お願いが。
君のこのメールを、うちのサイトの日記コーナーで全文掲載してもよろしいだろうか?
こんなに笑い転げたメールは、後にも先にもこれ一つだけであろう。
この衝撃を、ぜひ世界中の人々に伝えたいのだが。
それで、ますます「素尻」同盟も広がっていくだろう。
素晴らしい計画だ。
今年の流行語大賞間違い無しだぞ。
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つまり、ここに、壮大な「素尻同盟」計画が発動されたのです!
今日、たまたまこの文を見てしまったあなた!
今すぐ「素尻」を使ってください。
もう、あなたも「素尻同盟」の一員です。
私は、「素尻同盟」の一環として、
パソコンのユーザー辞書に、「素尻」を登録しました。
みなさんも、ぜひ。素尻万歳。